歌も奇跡も、確かに

2日目にして、腕も大分回復してきたので、福祉センターでの面談に行ってきた。就労支援の人を交えての面談で、具体的にこういう支援が出来ますとか、こういう施設がありますみたいな話を聞いた。「リワーク」という言葉を聞いて、今まさに行うべきはそういう対処なのかもしれないと思った。果たして今から人生に間に合うのかもう自信が無いけれど、各駅でも鈍行でも、乗り込んで進むしかない。「普通に生きる」ことは難しくても「普通みたいに生きる」までは行きたい。次回の面談の予定を取り付けて帰り、少し休んだあと夕方、映画を観に出かけた。前から興味があったところをかさのばさんに誘われて「アイの歌声を聴かせて」を観たのだった。「AIと人間」をテーマにしたSFアニメ作品で、実験として学校に編集させられたAI詩音(しおん)とクラスメイトとの交流を描いており、ロボットとしてはいささかポンコツな詩音がやがて人の心を動かしていく様や、その行動の理由が明らかになるのが感動的で、映画館で何度も何度も泣いてしまった。「AIと人間」という題材は何年も前から扱われているけれど、その中でもあんまり見たことない切り口で、後半、詩音が「なぜ存在しているのか」の真実が分かったときは驚きも含めて、感情が大きく揺さぶられることになった。そして、無性に詩音が愛おしく感じ、また詩音に会いたくなった。リピーターが多いらしいという訳も、すごく分かる気がする。まだまだ公開中なので本筋には触れにくいけれど、本当に良い映画で、めちゃくちゃ幸せな気持ちになれること請け合いなので、劇場でやっているうちに観ることを強くお勧めします。SF映画として、青春映画として、相当素晴らしい作品だと思います。映画を観た帰りに、マックでハンバーガーのセットと、あとテンション上がった勢いでナゲットも買い、食べてからDiscordでサイファーをした。今日はなんだかんだ一日動いていた疲れか、終始パッとしない感じで終わってしまったのが心残りだったけれど、ラップやってる時間はやっぱり楽しい。できればもっと成長を感じたいところだけれど、それはあるいは贅沢というところなのだろうか。上がるようになってきた腕を見つめながら、週末への扉をそれでゆっくり、開いた。