ラストを作る、その一歩

いつも言っている区の支援センターで、今日は臨床心理士の先生と面談をした。どんな話をするんだと思ったんだけれど(社会福祉士もそうだし、臨床心理士も、言葉で認識してるだけで実態は分からなかったので)割とちゃんとしたカウンセリングで、今までの生い立ちの話などをした。無料でこういうものが受けられるのは結構な機会だったのに、本当に終始ぼそぼそと喋るばかりで、全く目も合わせられなくて、何を言ったらいいのか分からないときは黙ってしまったり、最悪の患者(?)をやってしまったような気がする。人とうまく喋れない自分の感じ、ここにきてさらに悪化してるんじゃないかって思ったら、あとで割と落ち込んだ。これで会社の面接なんて言った日には、石でも投げられてしまうんじゃないだろうか。立ち上がろうとした足を払われたような思いで面談を終え、引き続き雨の降る中、バスに乗って帰った。社会復帰の四文字が窓ガラスに滲んで、そして消えた。こんな日記を書いたところで、実際ちゃんとしてる人からしたら「四の五の言わずに応募しろ、面接に行け」と言われるに違いなく、実際それに間違いはないから、またしんどくなる。うまく相談が出来ないのも、それを言われて終わりになるのが怖いからってのも、情けない話、あって、もうちょっとしたら本気で雁字搦めになりそうな気配がある。宣言終了したところで、大手を振って外に出れるようになったわけでもなく、家で悶々とする日々は気持ちを落ち込ませるだけ。せめて晴れてくれればいいのに、嘲笑うように雨も続く。何かをして雲を吹っ飛ばそうと思い、カレーを作った。カレーを作れる生命力があれば、まだ人生を生きることができる。カレーはこの先自分の生命線のようなもになっていくかもしれない。カレーを食べたあと、またぞろ映画を観た。

幸せなひとりぼっち [Blu-ray]

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  • ロルフ・ラスゴード
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最愛の妻を亡くし、偏屈な性格から近所で疎まれている老人オーヴェが、妻の後を追って死のうとするも上手くいかず、生き永らえている間に徐々に周りの人間と交流を深めていく姿を描いた映画。隣に引っ越してきたイラン人の家族との触れ合いなどをきっかけにして、孤独だったオーヴェが心を開き出し、またゆっくり明らかになる彼の過去、妻との歴史などを知ることにより、オーヴェの人生を見届ける気持ちが不思議と生まれてくる、温かい話展開が胸に響いた。正直に、自分にも周りにも厳しく生きてきたオーヴェの、決して平坦じゃないけれど誠実な人生の最後が、いかに報われていくのか。彼と周りの人間がいかに繋がっていくのか。観終わったあと、一つ一つの自分の行動に責任を課したくなるような、ちゃんと生き続けることがいかに大事か自分に問いかけたくなるような、重たい気持ちにもなった。幸せなひとりぼっち、なんて良い言葉だろうか。果たして自分の人生、ここからもう一度持ち上げられるだろうか。