伝播の話

外に出なければ第二弾ということで、図書館に行った。内から外、また内ではないかと言われるかもしれないけれど、とりあえず外の空気には1回触れているのではありとさせて下さい。出来れば毎日通って、ちょっと本を読んで、家に閉じ籠る毎日をちょっとずつでも変えて精神を動かせればいいなと思う。全然家にもあって読んでないだけなんだけど、たまたま図書館にあった伊坂幸太郎のPKを読んだ。

 
とあるワールドカップPK戦での一幕に疑問を持った議員がその調査を進めていく「PK」作家の元に訪れた青年が『自分は未来が見える』と訴え始める「超人」凄惨な人類の未来を変えるための謎の計画に突然巻き込まれた主人公を描いた「密使」の三作から成る短編集。それぞれの時間軸が複雑に絡み合っていて、一読しただけだとかなり難しい作りになっているのが印象的な小説で、実際読み終わって考察してみて、まだ自分の中で繋がっていない部分はあるんだけれど、話のテーマとしてある「勇気、あるいは決断が試される瞬間」それが、また次の誰かの「勇気」に繋がるという部分は大いに感じるところがあって、作中で引用される「臆病は伝染する、だが勇気も伝染する」の一文には心を動かされるところがあった。自分の一つの決断が、信念を持って選んだそれが、回り回って誰かの心を打つかもしれないということ。バタフライエフェクトという、僅かな蝶の羽ばたきが、やがて遠くの気象をも変えるかもしれないという現象があるとも言われるように、軽んじられる小さい行動が、大きい何かに変わるかもしれない。PKの中では、色んな人が「決断」を迫られ、信念を試される。そのとき何を大事にすべきか、そのとき浮かぶのは自分だけか、自分の大切な誰かか。そのとき、信念を曲げずに生きれるのか。PKからはそんなメッセージを感じた。


夜は、最近スタンダードになりつつある、素麺と副菜、今日は野菜炒めを食べた。果たして正しい栄養バランスなのか一切考えてないで作っているので、いずれ罰でも当たるみたいに体を壊す可能性も全然ある。それからスプレッドシート大喜利をやった。きりまるさんと藤平さんの共催で、2人を大将とした軍に参加者がそれぞれ配属されるんだけれど、最後までどちらかが分からず、普通に個人戦をやって優勝した人の軍が勝つというルールのものだった。最近調子が悪かったスプシ大喜利だったけれど、今日は割とずっとウケることが出来て、予選、準決、決勝と答えを切らさず答えられたのが良かったのか、優勝することが出来た。結果、僕はきりまる軍だったらしく、きりまる軍の勝利で会は幕を閉じた。特に仕込みとかなく、両軍同じ人数が決勝に残っていたらしく、面白かった。先週ほとんどウケないで終わったので、喜ぶよりまず先に安堵が襲ってきた。「まだ人と闘える」という事実は、いつも体に、肌に水のように沁みてくる。「置いてかれんだ」「老いて枯れんだ」とはスキマスイッチ全力少年の歌詞だけれど、冗談抜きで大喜利にそれを僕は感じている。置いてかれて、老いて枯れるわけにはいかない。個人の、これは勝手な闘いである。丁度冷蔵庫にあったアイスを食べて、この日は深く眠った。