恋の歌、愛の映画

一日中どうしてか疲れが付きまとってくる日だった。原因はよく分からない。動かないことで体が錆びてきているからかもしれない。疲れすぎて頭がおかしくなって、ステーキを焼いてしまった。安い肉だけど、しっかりステーキ肉を焼いて、申し訳程度に玉ねぎともやしを炒めて食べたんだけど、久々のステーキだったからか安い肉なのにめちゃくちゃ美味しくて、一瞬、欲望が満たされる思いがした。これが高い肉だったらどれだけ美味しいのかとも思った。貧しい人生を送っているので、高い肉や高い魚にはとんと縁のなく生きてきた。人生に本当に余裕が出来たら、遠くに旅行して旅先の名産などを食べてみたい。北海道とか。今のところ、遥か遠くの夢である。ステーキを食べつつ、スプレッドシート大喜利をやった。ぽるすさん主催のアマガミストチームバトル大喜利という、恋愛ゲームのアマガミが好きな人で集まってチームで大喜利する会で、アマガミはちゃんとやってはいないものの、普通にゲームはやって梨穂子が好きだからって感じで参加したら、めちゃくちゃ梨穂子推しなの当てられて恥ずかしかった。思えば大学のときにToheart2を大学の友達に借りてプレイしたときも、友達全員に好きになる子を当てられたこともがあった(小牧愛佳だった)ゆるく大喜利出来てアマガミの話も聞けて、疲れだけで一日が終わらなくて良かったと思った。落ち着いたので、そのあと映画を観た。

 
太宰治の遺作にして未完作品「グッドバイ」を題材にした映画で、何人もの愛人を抱える文芸雑誌の編集長・田島が、妻と正式に暮らすために偽の妻を雇って愛人に別れを告げようとする様をコミカルなタッチで描いた話。脚本は劇団ナイロン100℃でも知られるケラリーノ・サンドロヴィッチ。「グッドバイ」は伊坂幸太郎の「バイバイ、ブラックバード」でもオマージュされていて、大きな設定は今回の映画もブラックバードも元の小説のままなんですが、ダメ男なのに何でか女に愛される主人公がクセのある女を連れて愛人を巡る、という話がやっぱり面白くて、この映画も主人公の大泉洋のハマりっぷりや、偽の妻キヌ子役の小池栄子の怪演(レビューだと割と悪く言われてたけど、個人的にはかなり良かった)もあって、楽しく観れる作品になっていた。終盤の展開はおそらくオリジナルで、かなり物語的な都合主義は感じたけれど、田島とキヌ子の結末には泣かされてしまった。ラブコメとして気軽に観れるので、そういう気分のときに見てみてもいいかもしれません。