遅いけど確かな春を

大喜利研修会OGTという、初心者向けの大喜利会を開催してきた。生大喜利の初心者会をやるのはコロナ情勢下になってからは初めてで、本当は2年前の春に始めの一歩という会の3回目をやる予定だったのが延期になり、いつ再開できるのか、今年はできるのか、の繰り返しで今年も結局できそうにない感じになり、また次の季節を待とうかとも思っていたけれど、初心者層の需要を常々感じていたのもあり、規模感を変え、初心者経験者を半々くらいにした会だったらどうかと軽く呟いてみたら反響があったので、開催する運びとなった。募集もありがたいことに爆速で埋まり、増枠してもキャンセル待ちが出るくらいには求められていたんだなと感じ、その時点でかなりやってよかった感はあった。A5さんが何故か速攻でロゴまで作ってくれて、いよいよちゃんと発進せねばということで、準備に準備を重ねて迎えた本日であった。正直、今週は何をしててもこの会のことが頭から離れず、前日はもちろん、当日も緊張の量がエグかった。やれることはやったのだから、と上手い人なら落ち着けるんだろうけれど、その上で「万が一」を考えてしまうのが自分の悪癖である。結局、会が始まってからも緊張は続き、いつも初心者会ってこんな感じだったなと懐かしんでいる暇もなく、進行をとにかく前に進めていく他なかった(大分落ち着いていない感じだったので、そこは本当に申し訳ない…)今回はゲスト枠は設けず、信頼のおける経験者数名に声をかけた以外は募集の形にしたんだけれど、ゴリゴリのメンバーが集まって、かつ、初心者が見たら面白いだろうなって個人的に思った感じの人も意図せずして集まって、どう転がるのか全く読めないってところを、もう最初からバンバンに盛り上がって、経験者だけのブロックは当然、初心者が混ざってからもそれは続いて行って、特に後半、経験者同士で回答の被せ合いが始まって、それがあまりに初心者会で起きえないライブ感があってめちゃくちゃに笑ったし、驚いた。一緒にやってた人がやりやすかったはどうかは分からないけれど、これがウケる空気感は凄過ぎると、何を見てるか分からない思いがした。その後は、いつも僕が初心者会(最近はスプレッドシート大喜利会上でだけれど)でやっているコンボDEベストアンサーというチーム戦企画に移り、そこで流れは一旦落ち着いて、ただただ強い回答を経験者も初心者も打ち続ける時間になり、これも普通に観てて一切ダレることなく続いたので安心した。Aブロックの経験者、六角電波さんと電子レンジさんの2人だけの打ち合いみたいな時間などは、回答が全部凄くて少し震えてしまった。企画的に、お題終了後に審査員が良かった回答を読み上げる時間があって、そこがこの企画の肝の部分なんだけれど、回答者として「もう一度ウケる」みたいな感じになるし、直接その場でツボあげしてもらえるのは自信というか、フィードバックに繋がって初心者会との相性が良いのではと思っていて、これは今日も来てくれた冬の鬼さんのやっている落城大喜利(参加者全員を一つのチームとして、回答で点を稼いで「城」を落としていくという企画)という企画にインスパイアされて作ったものだから、100自分の功績とは言えないけれど、毎回こうして盛り上がってくれることはありがたいと思っている。ただ、ここでも一つのブロックで被せ合いが起きて、経験者の赤黄色さんとFANさんが始めたのを、初心者のカラスみずさん電波時計さんが乗っかったり、さらに経験者のでんらくさんがさらに返したりと、はちゃめちゃな展開になって、結果点数にはそこまで加算されていなかったものの、今日イチくらいかってくらいのウケと盛り上がりが起こり、やっぱり本当に今日は凄いと思った。ともすれば、もっと真っすぐになりがちな初心者会で、経験者発信とはいえ、ここまで色んな流れが起こって、それが跳ねるのはマジで見たこと無い光景だった。でんらくさんの「タモリ」流れがあり過ぎて言葉で説明できないけど、ありえないウケ方をしてたと思う。そんなこんなで、気付いたらプログラムは最後の初心者のみでのトーナメントを残すのみの時間となったけれど、ここはただただバチバチな打ち合いが展開されて、それまで手数があんまり多くなかった人も「1問3分」という、ある意味追い込まれた状況だと、自分が普段出ない力が出るのか、数も質も格段に上がっていたように思う。優勝は、決勝がとにかく圧巻だったチャンスさんだった。それまで割と接戦だったところを、2問目のウケで頭一つ抜けた感じでした。おめでとうございます。準優勝のカラスみずさんも、今日通してずっと安定して面白かったし、徐々にコツを掴んだのか、途中からは強い回答を量産していたワッショイサンバさんや、ぶちゃんさん、とおるさんも、トーナメントではバンバンにウケて決勝まで進んでて凄かった。何故かネット出身方面で固まった、カラスみずさん、チャンスさん、藤光さん、564さんという予選ブロックは、ブロックとしては一番ヤバかった。いや、一人ずつ書いてたらキリがないくらい、本当にみんなウケていたと思うし、確実に印象に残っている。経験者に関してはもう言わずもがなというか、真っすぐな方向でも変な流れでも、両方でめちゃくちゃに輝きを放っていて、来てくれて本当にありがとうございましたという、ただただその一心だった。今日の会が盛り上がった一因は、間違いなくあなたたちのおかげです。最初始まったときは内心どうなるのか、フワフワしっぱなしだったけれど、終わってみれば、いつも初心者会終わったあとに感じる、達成感と疲労感がぐちゃぐちゃになったような気持ちと、一つのぶっとい安心感とに包まれて、ただ一つ「やって良かった」という感情がそこにあった。打ち上げにも結構な数の人が来てくれて、今日の感想などを直に聞くことができて良かった。いつもの初心者会より、全然色んな事が起こった会だったから、そのあたりのことを聞けて良かった。回答の話が進みやすいから、アンケートを紙にして書いて貰ったのも良かったと思う。「初心者会に失敗は許されない」とここでも何度も書いて来たけれど、それはやっぱりそうだと思うし、主催的に不甲斐なさ過ぎて、周りに助けられた結果のオーライって感じを繰り返してるとは思うので、そこは本当にもっとしっかりしないといけないとは思うし、あと初心者会が盛り上がることは「小目標」で、ある意味前提というか、大目標としては「参加者が以降も会に参加をしてくれる」が、やっぱりある。大事なのは、とにもかくにもこれからである。今日の会をもし楽しいと思ってくれたのなら、もし生大喜利を面白いと思ってくれたのなら、また別の会で今日の参加者とお会いできればそれ以上に嬉しいことは無い。今回「研修」という名前を付けたけれど、今回ちょっとでも引っ掛かる回答を出せたのであれば、ここからガンガン上げて行けると思うし、研修の先輩となってくれた経験者の人も、いつでも歓迎してくれると思うので、もしよければ、今後もよろしくお願い致しますって気持ちです。その気持ちしかないです。今後は、始めの一歩の形を取るのか、またOGTにするのかは未定ですけれど、初心者会は隙を見てやっていければと思うので、今回行けなかった人や新たに興味を持ってくれた方がいれば、またチェックして欲しいですね。とにかく、無事に終わって良かった。一週間気を張っていたのが、お酒を飲むごとに解れていくのが分かって面白かった。できるかどうか分からないけれど、次があるなら、もっと落ち着いてやって、成功を確実にしたい。いつまでも助けられてばかりじゃ、仕様が無い。返すものしかないのに、また返すものを増やしてどうするんだって感じだ。感謝の借金ばかりが、僕の中で膨れ上がっていく。一旦これで区切りがついて、明日はEOT第9章。今度は回答者としての大一番である。今日楽しんだ分、笑った分、貰った分、力にして、走り切る。