白い記憶

毎年大喜利の人で集まって大喜利以外のことをやるクリスマス会の日だった。今年はちょうどクリスマス当日の土曜で、朝からの開始なので早起きして9時の開場の時間に何とか間に合ったらまだそんなに人がいなかった。主催のネイノーさん(最近は六角電波名義でやってるけど、こっちで言ってしまう)さんが遅れていたので、来ている人で準備をしていたらネイノーさんが来てクリスマス会が始まった。午前は関西ローカルでやってる座王という、大喜利モノボケ、一発ギャグ、替え歌など、椅子取りゲームをしながら色んなジャンルで1対1で闘っていく番組の企画をやった。普段そういうことをやらない人のギャグやモノマネ、体を使った大喜利を観れるのは新鮮でかなり楽しかった。自分はモノボケと1分トークをやったけど、両方とも相手が爆ウケして負けてしまった。MAさんが鬼(番組内で無双している笑い飯の西田の呼び名)と呼ばれるくらい爆笑取り続けて優勝していたのが凄かった。これだけの会があっても全然面白い気がするので、どこかでやってみてもいいかもと思う。そのあとは今日社会人の漫才の大会に出る人たちのネタ見せがあった。あんまり社会人お笑いには詳しくないけれど、知り合いがかなり決勝に残っていることは知っていて、そのネタも観たけど相当面白かったし、レベルが高いんだろうなという感じはあった。午後は椙田政高さんのインプロの企画や四つ葉の黒婆さんのクイズ企画がいずれも盛り上がって、そのあとは自分の持ち込み企画であるワンフレーズ選手権の時間だった。これは去年Twitterで「このフレーズをカッコよく言う」みたいなお題を出したら案外みんながやってくれて、それを生でやったら面白いんじゃないかと提案したらやることになったのだった。「やっと笑った」や「ったく、どっちが子供だよ」みたいなある程度シチュエーションが決まっているセリフから「海だ」「ごめん」など、余白が大いにあるセリフまで、色んなお題を出したんだけれど、希望で出てきてもらう形にしたら最初はさすがにあんまり希望者が出なかった者の、盛り上がっていく内にどんどんみんな出てくる感じになって、それぞれが新しい言い方やパターンを出してくるのがめちゃくちゃ面白くて凄かったし、みんな表現として上手すぎて、観ながら何度も何度も感動してしまった。デリシャストマトさんが色んな角度の演技でセリフを言ってて、特に設けていなかったMVPを贈りました。あれはマジで凄過ぎた。そのあと大きい休憩があったので、鬼ことMAさんおススメのラーメン屋に行き、汁なし担々麵を食べた。会場の赤羽には基本来ることはないから、良い店に行けたのはありがたかった。休憩後はネイノーさん企画のボードゲーム(ストリームス)で軽く頭を動かしたあと、最後の企画である全部オブ全部トーナメントをやった。これは何でもいいから対決方式を参加者に書いて貰って、それをくじで引いてタイマンでやっていくトーナメントで、早口言葉から腕相撲、背の高さ所持金の高さなど、刹那の如く勝負が決まっていくのが毎年面白い目玉企画だ。今回も知識対決から筋力を競うものまで、多岐に渡る対決で試合は進んでいって面白かった。僕は漢字の書き取りで、早々にMAさんに負けてしまった。優勝は貰った飴を舐めながら(?)勝ち上がったでんらくさんだった。さすがに朝からやって眠さも出てくる中、一瞬のうちに過ぎて行く勝負を見ていたら目も覚めたし、今回も盛り上がって一日が終わってめちゃくちゃ良かった。こんな日が一年に一度あるのは、本当に丁度いい気がする。時間も遅めだったけれど、せっかくだしみたいな感じで打ち上げに行ってゲラゲラ笑って、店を出たら雪が降っていて完全にホワイトクリスマスだった。そんな最高な終わり方だったのに、気づいたら終電を逃していて(乗り換えアプリで始点の駅を間違えていた)同じように逃していた数人でKouさんの家に泊まらせてもらうことになった。道中、終始ボケまくるかにちゃんに笑いながら電車に乗ること数十分、前にも一度訪れたKouさんの家はすごく温かかった。何故か1回観たM-1を1周して、1回観たのに爆笑した。Kouさんが自室に引き上げる中、電子レンジさんが相当に爆睡する中、かにちゃんと東堂さんとクレヨンしんちゃんを観ながら下らないことを言って笑っていたら、ある瞬間、何かが崩壊するように一同一斉に爆笑が止まらなくなって、激痛を感じたと思ったら腹筋が崩壊していた。数分間、痛みが止まらなくて死ぬかと思った。一日ずっと笑って最高だったホワイトクリスマスの夜の、最後の奇跡がそれだった。時刻はもう朝になっていて、外は明るかった。もしかしたら、人生で一番笑ったクリスマスだったかもしれない。笑って雪を見て笑って、一年後もこうやって泣くほど笑えたらいいと思った。こうやっていつまでも騒々しい人生が送れるのなら、それこそが奇跡だ。