窓際のユダ

土日が大喜利など用事で満たされれば満たされるほど、月曜日が空虚なものになるのは働いている人と同じかもしれない。と言ったら働いている人から石でも投げられてしまうのだろうか。金曜がひどかっただけなのか、昨日は入眠にはさほどかからなかったので良かった。感覚が麻痺していて、本来なら「かかって」いるはずの時間をそう感じていないだけの可能性は全然あるけれど、マジで金曜日は眠れなくて死ぬかと思ったので、薬を飲んでもいいから、あれだけは勘弁願いたい。最近月曜に自炊から逃げてラーメンを食べたりしてしまうので、今日はちゃんと作った。久々にピーマンの肉詰め。これは別に上手く作れているわけじゃないから自慢できるような代物ではないけれど、ピーマンの歯応えを感じる瞬間の、あのピーマンを食べているという感触、いつも新鮮に感動してしまう。これで体にも良いのだからピーマンは凄い。玉ねぎとピーマンを僕は歯が丈夫な限り、食べ続けるだろう。それから寝る前に映画を1本観た。


岩井俊二が自身の監督作「花とアリス」の前日譚をアニメーションで描いた作品で、花とアリスの主人公である2人、アリスこと有栖川徹子、花こと荒井花の2人がある事件をきっかけに出会い、その謎の解明に奔走する過程で友情を結んでいく様が瑞々しい、良い青春映画だった。花とアリスを観たのが確か大学生くらいのときで、大分昔の話だから、2人の人物像に関しては思い出しながらという感じにはなったものの、むしろ0の気持ちで触れる感じが良かったのか、観終わったあと花とアリスを観たくなった。岩井俊二作品は独特の空気感があるというか、実際花とアリスのことを思い出すとき、物語そのものより、その空気感が先に立ち上ってくるくらいの印象はあって、今回アニメという形を取ることで、その“歪さ”がうまく緩和されていたようにも思えた。ロトスコープという、実写の動きをアニメーションにトレースする手法も、淡白な映画の世界観にどことなく合っていて良かったし、話として特別なことはあんまり起こらないけど、このシーンの連続が花とアリスにとって特別なものになっていく感じが伝わってグッと来た。なんだかんだで岩井俊二作品は花とアリスくらいしか観ていないので、これをきっかけに有名なところを観てみてもいいかもしれない。