自分の宇宙が光るとき

注目していた名桜の試合が雨で中止になり、それで台風が今めちゃくちゃ来ていることを思い出した。無職と情勢下によって外に出るという感覚が死んでいるので、台風を全くマークしていなかった。こういうところから、ゆっくり人生が終わっていくのかもしれない。曜日の感覚、時間の感覚、外の感覚。人間終了のスタンプカードが1個ずつ溜まっていく。冗談みたいに書いてるけど、全然冗談ではないから本当に質が悪い。この日記を書けているからまだマシかもしれないけど、本当に書けなくなったときは、それは、想像しちゃいけない気がする。その前にまず生きることを考えないといけない。なんだか怖くなってきたのと、レンタルの返却日が迫っていたのとで、早い時間から映画を観た。

 
幼い頃に誘拐され、監禁されて育てられてきた主人公ジェームズが「ブリグズビー・ベア」という偽の両親が自作して彼に見せ続けた番組への愛だけを持って、外の世界で生きていく様を描いた映画。なんとも変な設定なんですが、本当の両親の元に返されたものの、世界から断絶されて生きてきたゆえに、周りに馴染めないジェームズが「ブリグズビーベア」の愛を語ることで、それが徐々に人々に伝わり、ジェームズと世界を繋げていくのが、本当にすごく美しい光景として広がって、めちゃくちゃに泣いてしまった。それまで自分の中にあった確固たるものが、実は自分だけが信じていただけのもので、でもそれを諦められなくて、自分の「好き」を諦められなくて、ジェームズがやがて自分でブリグズビーベアを作っていく姿が力強くて、またそれが周りに伝播して大きい力になっていくのがまた感動的で。「自分の好きなものを諦めない」とメッセージとしてはシンプルでありふれたものなんだけれど、ジェームズが監禁されて世界から離されていた(“それ”を好きなのが彼一人しか物理的にいなかった)という設定がその意味合いを高めて、よりこちらに刺さるようになってるのが凄いし、変な入りで始まって油断したところに思わぬド直球が飛んでくる感じも凄い。マジでこれを伝えるとして、このやり方なのが凄過ぎる、と観終わったあとに震えてしまった。いち観衆に向けたものでありつつ、作中にジェームズが映画を作るシーンが描かれることから、いちクリエイターに向けて、クリエイターが送ったメッセージとしての意味合いも感じたし、そう考えると外の世界を知らなくて純粋なままのジェームズがさらっと言う「好きなものなのに、どうして諦めるの?」というセリフは何と力強いものなんだと思う。ジェームズはいわば「大人になれなかった子供」のような状態で、そのジェームズが「子供の心」で「子供の頃から好きだった」作品を作っていく、それが世界を変えていく。ブリグズビー・ベア、人に勧められなければ知らずに終わった作品でしたけど、本当に色んなものが詰まっていて、観終わってまだ余韻も深い、めちゃくちゃ良い映画でした。今年観た中でも抜けて良かったので、これはマジで観て欲しいです。おススメ。

 


めちゃくちゃ良い映画を観たくせに、というか、観て疲れたから、なのか、夕飯は適当に済ませてしまった。卵焼きを作って、アジフライを買って、みそ汁はインスタント。前はあれだけ普通に毎日作っていたみそ汁がインスタントになっているところにも、最近の怠惰が見て取れる。それから、今日配信のための用具が届いたので、設定をしてPS3のゲーム配信をやった。PSソフト 学校であった怖い話の配信。学級新聞の作成のために生徒に学校の怪談を聞いて集めるというストーリーのサウンドノベルで、名作と評判だけど完全に初見でやったことないし、配信しながらやったら面白いし怖くないかなと思ってやってみたんだけど、これが思ってた以上に難しいというか、選択肢がシビアで、全然怪談に行かなくてずっとそれに悩んでたら最後まで終わってしまった。ゲームとしては良く出来てて面白かったし、配信的にも盛り上がったのでそれは良かったんだけど、選択肢ミスったせいか、全く話が分からないまま終わったので、また次回の配信でリベンジをします。絶対こんなことやっている場合ではないんだけれど、楽しいことでもして笑っていないと、心が本当に終わってしまうから。スタンプカードが溜まらないうちに、外の世界に戻らないと。