豪雨もある

最近本当に雨が多くて、気が滅入って仕方がない。元から滅入っているのだから、もう相当である。外に出る気持ちが削がれるし、カバン持って傘持ってっていうのも煩しくてあんまり好きじゃなくて、だからちょっとの雨だと傘を持って出ないことも多いんだけど、今日、小雨だからと舐めて買い物に手ぶらで出かけたら、帰りに急に土砂降りに変わった雨にボコボコにされてしまった。自炊がめんどくさくてチキンカツ丼と漬物を買っただけだったんだけれど、チキンカツ丼と漬物と一緒にずぶ濡れになってしまって、おかしな話だと思うだけど、雨にめちゃくちゃ打たれてるときってずっと現実感が無いっていうか「こんなわけないだろ」って気持ちがあって、でも実際に体が濡れ続けてて、それでもなんか夢でも見てるみたいな感じになるんだけど、自分だけだろうか。それか人間の逃避による感情の所以か。体を乾かしたあと、チキンカツ丼と漬物を食べ、映画を観た。

 
駆け落ちでやってきた東京で今や妥協続きでだらしない生活を送っているOL佐和子が、父の入院をきっかけにバツイチの恋人とその子供と共に実家のしじみ工場で人生をやり直す様を描いた映画。嫌なことがあっても「しょうがない」の一言で全部片づけて来た佐和子が、追い込まれることで「頑張らなければ、しょうがない」と開き直って人生に立ち向かっていく姿が力強く、前半そのダメな感じにあんまり感情移入できなかったところから一気に気持ちを掴まれる感じがあって良かった。父との和解や、工場勤めのおばちゃんたちとの触れ合いなどを経て、どん底にいることに妥協してた佐和子が「川の底」からゆっくり上がっていくのが特徴的で、すごく分かりやすいシーンは描かれないものの、その乾いた世界観が最後まで続くのが心地良かった。独特の雰囲気に人好みはするかもしれないけれど、刺さる人には強く刺さる映画だと感じた。佐和子役の満島ひかりの絶妙に冷めてる感じの演技、かなり良かったなあ。