祭りの後始末

久々に何も無い土曜日が訪れた。巷ではデレマスの10周年記念の大きいライブがあって、タイムラインでは昼から会場であるベルーナドームの写真が上げられたり、誰誰が誰誰と会ったりみたいな話が流れてきて、生活の不安定さ、己の不甲斐なさからプロデューサーから一歩引いてライブも行けないではなく「行かない」という意志を持って行かないことにした自分からすれば、眩しいだけの光景だった。自分が、あるいは今まともに生きていたら、その景色の中にいたのかもしれないと考えたら、急に泣きそうになったりもした。今、最前線でライブに行けたり楽しめたりしている人は、日々頑張って生きている人なのだと思う。改めて、僕にはそれを享受する資格は今無いのだとも思う。どうして今日をやり過ごそうかと考えていたら、3月初頭に1回行った秋葉原サイファーが開催される情報を見かけて、でも今日こそ知り合いがいない(前に一緒に行ってくれたのとさわさんはライブに行っていた)そして今、拍どうこうの問題を抱えてもいるし、本当にギリギリのギリギリまで迷ったけれど、何か吐き出したくて、単純にラップがやりたくて、単身、突撃してみることにした。出るのが遅れたので、一番最初の輪からいることができず、途中から入ることになるのが大いにプレッシャーだったけれど、主催の人とは前回顔合わせは済ませていたので、すんなり入ることが出来て、そこからはただただサイファーしまくる時間だった。Discordと、あと前回のサイファーでお話しして頂いたchunさんがかなり良くしてくれて、途中からはほとんど一緒の輪でラップして貰ってありがたかった。今日は初めての人が多いとかで、バトルの時間も無く、最後までサイファーだけでして終われたのも良かった。結局、今日もリズムは全然取れなかったけれど、韻踏んだり好きなことをバースで吐いたりして、目の前でリアクションが返ってくるのはとんでもなく楽しかったし、他の人のバースにアガったり笑ったり飛び跳ねたり、頭空っぽで楽しめたから後悔はあんまりなかった。自分が下手なことを気にされたらどうしようという不安もあったけれど、よくよく考えてみれば、サイファーも結構な人数がいるし、関係性が無い以上、良くも悪くも「覚えられない」まま終わるから、そこまで気にしなくてもいいのかなとも思った。大喜利大会で、ウケた人のことは記憶に残るけど、いい意味でそれ以外は覚えていないのに、ちょっと近いのかもしれない。もちろん、何回か続けて行くのであれば、ダサいままでいるわけにはいかないからスキルは上げたいけれど、ちょっと気持ちが楽になりながら帰路に着いた。前のサイファーのときもそうしたように、帰りに牛丼とお酒を買って帰った。サイファーの後の牛丼が、今一番美味しいかもしれない。たまたまDiscordでもサイファーがやっていたので、帰った勢いでそれにも参加した。今日は、結局合計で言うと5時間くらいサイファーをやっていた。これだけやっても上手くならないという絶望はあるけれど、パンドラの箱にも希望があったように、逃さなければ悪いことだけじゃないはず。今が下なら、這い上がるだけで良いから楽でもあるはず。そう思うしかない。そう思うことで保つしかない。今は長いトンネルの中であり、雨宿りの途中。車も壊れて傘も無いから、あとは自分の足をどれだけ信じれるかである。