魔法以上奇跡未満

昨日は薬を飲んだけれど、あんまり飲んだら眠れているのか飲まなくても大丈夫なのか、分からないは分からない。飲まないで眠れるのが絶対ベストなのはベストなので、どこかで抜くことも必要なのかもしれない。今日も応募書類とにらめっこしては勝手に凹むを繰り返した。ある程度適当でもいいから、誰かにちょちょっと書いて貰いたい気持ちになる。書かれた人の顔をするから。無論ダメなのは分かっている。自分で書いた言葉にしか価値が無いことは分かっている。本当の本当を書くならば「カスです、人として取り立てて良いところもなく、優しくもなく、ネガティブで不器用で怠惰で人生に挫折をしております」となる。いっそもう書きたい。嘘。書きたくない。結局、何でもない言葉だけ書いてまた寝た。どこにも行けないパスポートのような文章だけが、パソコンの画面に表示された。夜、でんらくさんのスプレッドシート大喜利会に参加した。でんらくさんの会に参加したのは初めてだったけれど、お題だったり企画だったりがちょっとずつ変わってて、終始変な雰囲気をみんなで楽しむ感じで面白かった。晩ご飯にはアジフライを食べた。魚のフライを割と好んで食べられるのは、もしかしたら長所とも言えるのかもしれない。それからまた映画を観た。


伊坂幸太郎の小説を原作とした映画作品。主人公佐藤と、彼とある夜に出会った紗季との恋愛を軸に、佐藤の親友夫婦やその子供、職場の上司など、周りの人々の人生、絆が長い時間をかけて繋がっていく様を描いた話で、例え劇的な出会いやきっかけなどがなくても、出会いは素晴らしく、一つ一つが集まることで奇跡は起きていくという話展開が何とも優しい、良い映画に仕上がっていた。元の小説も好きだった上で、かなり良い感じに映像化されていたように思った。伊坂作品の映画化というと中村義洋のイメージがあったんだけれど、今作の今泉力哉も上手くて、話しのテーマとしてある「劇的じゃないものの中にある劇的さ」を派手じゃないやり方で表現していて、全体の雰囲気としてはむしろ地味だけれど、それが光る作りになっていて、原作通りの仙台の景色の中、最後に迎える幸せな結末には大いにグッと来た。原作を読んでも楽しめるし、読んでいなくても大丈夫な映画だと思うので、おススメです。