沼からの雪景色を

昨日朝方まで奥様ッソを観たからなのか、起きるのも起きれて、しかも何故かそのあとも疲れが酷くて、昼を食べたあともずっと寝て、まだ寝て、夜になってしまってかなり最悪だった。何をやっているんだと思った。寝正月とは言うけれど、もう世間的には働き始めの時期、起きてぼけーっとしながらも後悔の沼の中で溺れる自分が居た。二度とこんな一日を作ってはいけない、そんな楔を深く打ち付けたあと、それでも腹は減るし何か食べねばならないしで、結局マックに行った。年末無くなっていたポテトのLサイズが復活していて、怠惰な一日をいっそ振り切ってしまおうと、バーガー、ポテト、コーラを体に入れた。それからまた梅酒を飲みながら映画を観た。


岩井俊二監督作。婚約者を事故で失ってしまった博子が、ふとした思い付きでその故郷に手紙を送ったことから、同姓同名で婚約者の同級生だった女性の樹と奇妙な文通が始まっていく様を描いた恋愛映画。一つの忘れられない想いをきっかけにして、蓋をされていた過去が浮かび上がっていくのが美しくて、舞台である小樽の綺麗な景色もあって、映像としてずっと目を奪われていくような感覚に陥る、凄い映画だなと思った。特に雪の撮り方など、相当こだわりを感じるような綺麗さがあって、岩井俊二の意思の強さというか、変態さが作り上げたものなんだろうなとも思った。博子と樹の手紙のやり取りと、そこに書かれるエピソードからの回想がメインで進んでいって、やがて樹の記憶が揺り起こされていく構成と、その結末が非常に切ないのも、物語としての価値を高めていた。「Love Letter」が果たして何を指すのか、誰から誰に贈られたものなのか。そんなことを思いながら観ると面白いと思います。岩井俊二作品は癖が強いですが、これは割と軽く観れるはず。冬の季節に是非。