漫才賛歌

昨日ちゃんと早寝をしなかったので心配だったけれど、無事起きれたので郵便局のアルバイトの研修に行ってきた。郵便局としての仕事のポリシーや担当する作業の説明を受けたあと、局内の案内をされるだけだったので研修はすぐ終わり、あとはシフトの確認もしたんだけれど、希望した日にちで全然入っていなくて、質問したら夜勤は他と比べて時間も給料も多いのでこんなものですと言われて大分予定が狂ってしまった。来月の収入がかなり減ってしまったので、どう生きていくかに関しての計画を立て直さないといけない。せめて募集要項に書いておいて欲しかったと思いながら郵便局をあとにし、午後からは家で大喜利の友達数人とM-1を観る予定になっていたため、部屋の簡単な掃除をした。掃除機をかけて、床や机を拭いて、本当に簡易的なものだったけれど、家に人を入れる用事があると掃除する理由になるから助かると思った。敗者復活から見るので、14時頃に駅で集まるとスーパーで買い出しをして、家でぐだぐだしながら開始を待った。スーパーで買った安いワインが美味しくて、ポテトチップスをつまみにそれを飲んだりして、この時点でもう楽しかったけれど、敗者復活もめちゃくちゃに面白くて、最初キュウで始まって変過ぎたり、マユリカが去年の予選で相当笑ったドライブデートをネタで爆ウケしてて最高だったり、ヨネダ2000のネタが意味分からなくてヤバかったり、ニューヨークの稲垣吾郎でめっちゃ笑ったり、男性ブランコの綺麗な漫才に痺れたり、トリのさや香が本気で一番頭のおかしい唐揚げ4の漫才をしていたり、全組漏れなく面白くて、これでこのあとの決勝どうなるんだ?と不安になるくらいの感じでM-1はスタートした。決勝の間にまた買い出しに行って、食べ物や酒を買い足した。思い付きで、これから遅れてくる一人にピザを頼んだりして、今日をより最高にすることに成功しながら、いよいよM-1が始まり、そして終わってしまうのだと、ワクワクと寂しさが入り混じった感情でテレビを睨み付けるように観ていると、決勝が始まった。とにかく出番次第というか、初出場で応援している組もあるから、届いたピザ(3枚も届いた。最高)を食べながら祈るような気持ちで眺めていたら1発目がそのまさに応援していたモグライダーだったから、めちゃくちゃにビビってしまった。トップバッターが一番不利なのは間違いなくて、これは終わったか…?と見てたらこれがめっちゃ面白くて、しかもめっちゃウケてて、ちょっと泣いちゃうくらいグッと来た。点数は結局伸びなかったけれど、かなり良い点数(結果的にはトップバッターとして最高点だったらしい)を獲得してて最高だった。今年ヤバいんじゃないかと思ったら2番目はランジャタイで、まさか過ぎて笑ってしまった。モグライダーからのランジャタイなんていう香盤、誰も組まないに違いない。マジでどうなるんだと思ったらランジャタイも、芸風を一番心配されてた中で普通にウケてて、またまた泣いちゃうかと思った。審査員を大いに悩ませながら、志らくだけに刺さりながら低得点になったランジャタイは、分からないけど一番ランジャタイとして良い結果を手に入れたような気がした。そしてゆにばーすが実質トップバッターとしてまた会場を盛り上げて、敗者復活から上がったハライチが岩井のサイコブチ切れ漫才で繋ぐ。ここも心配だった真空ジェシカも、小ボケが一つも存在しないボディーを強く打ち続ける漫才でウケれば、大本命オズワルドが仕上がり切ったネタでトップに躍り出る。かと思ったらロングコートダディが肉うどんの転生っていう独特過ぎるネタと兎の顔力(かおりょく)で高得点を貰い、かと思ったら錦鯉がまさのりのバカとおじさんを詰め込んだ後半の畳み掛けで爆ウケ。インディアンスが体感2分くらいの爆速テンポ漫才でウケ切れば、結成4年の一番の無名ももが顔(がお)漫才で決勝でも堂々とウケ切る。怒涛の漫才の連続に、気づいたら1stステージが終わっていて、ファイナルに残ったのはオズワルド、錦鯉、インディアンスの、いずれもこの1年売れに売れた3組だった。下馬評や1stの出来を見る限り、オズワルドが本命として勝ち切るのかと予想していたら、2番目で登場した錦鯉のネタががもう意味分からないくらい面白くて、1stでも見せていた「おじさん」と「バカ」をさらに何倍もスケールアップした、マジでこの2人しかできなくて、マジで誰でも笑うしかないんじゃないのかって感じで、死ぬほど笑ってしまった。最後の「ライフイズビューティフル」が、意味が分からないのに意味があるみたいに見えて凄かった。あまりドラマとかでネタ自体の評価は動いて欲しくないって気持ちもあるけど、錦鯉に関しては重みが違い過ぎるというか、こんなに漫才の中で「人」が活きてきて、それが笑いにダイレクトに結びついて(かつ人を選ばない形で)届いていくコンビは他にいないとも思う。正直これは決まったかもしれないと思いつつ、でもオズワルドも優勝して欲しい気持ちもありつつで見ていたら、オズワルドのネタも面白かったけれど、錦鯉の爆風はやっぱり凄まじかったのか、インディアンスと共に吹き飛ばされ、結果は5・1・1で錦鯉の優勝で2021年のM-1は幕を閉じた。抱き合う50歳と43歳と、その涙を見ていたら自然と涙が出てきた。一緒に観ている何人かも泣いていた。これは泣くだろ、と思った。「ライフイズビューティフル」がここに来て意味が出てくるのが凄かった。全組マジで面白くて、そこがバチバチに闘った上での、この結果。個人的には過去イチのM-1になった気がして、観終わったあともしばらく余韻があった(これを書いている、M-1終わって1週間経っている今も余韻は終わっていない)おそらく年が明けてもまだ残っているだろうと思う。既に売れている組も含めて、全組売れて欲しい。特にモグライダー真空ジェシカ、ランジャタイあたりの応援していた組は特に売れて欲しい。来年以降の動きも含めてのM-1だと思うから、ある意味まだM-1が終わっていないとも言えるし、終わってしまった寂しさはあるものの、ワクワクはこれからも続いていくのかもしれない。本当にM-1ってものは面白くて、アツくて、そして何より、その感情を抱かせてくれる、とてつもなくカッコいいものだなと思う。余韻を感じていたくて、早速あがった決勝の動画を見て追いM-1をしたあと、鑑賞会は解散となった。今年の最高のM-1をこのメンバーで共有できたのも最高だった、お酒を飲んでピザを食べて、今自分がしちゃいけないだろうくらいの贅沢をしてしまった。そして例年通りというべきか、M-1が終わると年末が目の前に迫ってくる。どこに隠れていたんだと思うくらい、角から急に出てくるように鼻先に迫ってきた年末と、これから対峙していかなければならない。残り数日となった2021年、自分にとってはかなり最低を更新してしまう年ともいえた2021年。何から手をつけて、どんな感情を来年に持ち越すか。鬼に笑われながらも、考えていかねばならない。ライフイズビューティフル、それは努力した人にのみ訪れる讃美歌だ。