幕前の自分

朝早く目覚めたというか、不安で目覚めてしまったという感じで起き、郵便局に電話をした。返却の袋にはこちらの住所が書いていないので、何か判別できるものが欲しいということで、一旦TSUTAYAに電話して袋に付いたハガキに書かれた番号を聞くことになった。朝から何人かの人に迷惑をかけている感じがして大いに申し訳なくなりながら、番号を入手して郵便局に電話したら自分の返却袋が分かったので、取り置いて貰って、大喜利に行く前に局に直接向かうことになった。どうして、1枚CDを入れなかったのか、本当に情けない。郵便局は歩いて行ける距離だったので、スマホの地図を頼りに歩いて行ったら、休日専用の窓口には荷物を送る人で列を成していて驚いた。割と大喜利の時間に間に合うかギリギリだったから焦りながら、何とか袋を受け取ってCDを入れてから再投函、急いで会場に向かった。間に合いそうだなと安心したのも束の間、地震の影響で電車が止まって遅刻が確定してしまった。幸いすぐに動いてちょっとの遅刻で済んだものの、そもそも郵便局の件さえなければ間に合っていたかもしれず、最初の失敗から全て決まっていたのかもしれなかった。今日の大喜利会はCL杯というかさのばさん主催の大会で、事前にランダムで抽選された4人によるチーム戦。サッカーのルールを基にしていて、大きい回答がないと割と点が入らなくてサッカーみたく接戦になったりする面白いルールとなっていた。結構パワーの強い人が多くいたので、最初は接戦が多いながら、リズムを掴んできたのか乱戦も出てきて、見てる分には相当笑ったけど、自分は全然ついていけなくて、最後までパッとしないまま終わったのは悲しかった。自分の磁場寄りではなかったなんだろうなとも思えるけれど、それで諦めてしまうのも違う気がするし、やっぱり今自分が生大喜利で何かできることってないのかもしれないと感じてしまった。優勝したチームのKouさんかにちゃんは圧倒的だったし、短期記憶さんも静かながら重い回答を打っていてカッコよかった。他のチームだと鉛のような銀さん風呂つんくさんも凄かった。この人らに勝つにはどうしたらいいのか、そんなことを考えながら会終わりですぐに移動し、三鷹に向かった。Convaという田野さんを中心に、警備員さん、大学お笑いをやっている吉原怜那さんで組んでいるお笑いユニットの第2回公演があるからだった。本来はGWあたりにあったのが、情勢で延期して今月になっていて、今回の会に参加した人も結構観に行くということで、一緒に会場まで行く形になった。公演は本当にめちゃくちゃに面白くて、知り合いだからとか、アマチュアだからとか、そういう枠組みでどうこうじゃなく、ただただお笑いとして、コントとして、映像として、ずっと面白くて感動してしまった。全てのネタが既視感無く、ちゃんと新しく、ちゃんと面白いのがとにかく凄かった。普通の設定から見たことない展開を見せたり、あるいは見たことない設定でそのまま突っ走ったり、見てて驚かされ続けていた気がする。前の公演も観たけれど、そこから各メンバーが技術なりをつけて、ライブ自体がスケールアップしたような感じがあって、これはどこまで行くのか?とまだ見ぬどこかをつい想ってしまった。同じように強い感想を抱いた、一緒に観に来た人たちを軽くそれを共有したあと、熱を持ったままバスに乗り込んで家に帰った。ご飯は適当に勝った刺身と餃子で済ませた。ものすごく良いものを見たときの、自分も何か生み出さないといけないんじゃないのか、みたいな感情の持って行き場、一体どうすればいいんだろうと毎回思う。普通にシンプルな刺激として受け取っていけばいいのに、自分でも何か作れるんじゃないかとか思っているから多分そうなるんだろう。僕には何も生み出せないし、生きるのに詰まっている今、何一つできるわけもない。ただ平々凡々の、その下で生き、死んでいくしかない。自分という存在をうまく弁えること、それが平和に生きる一つの秘訣なのだと思う。