全て不正解でも、正解

夜に眠れなくて、そして朝に起きれないという最悪の生活リズムになってしまった。夜は普通に不眠で、朝に関しては完全に生活のリズムがぶっ壊れてきている。今日もハローワークに結局行けなかった。起きたとき、耳元で少しだけ死の音が聞こえた。善行でも積むかのように、夜はサバを焼いて食べた。サバを焼いて救われる魂がきっとあるに違いない。あってくれ。そういえば、ゆうちょのお金はまだ帰って来てない。深夜、何かをしないといけない気持ちに駆られ、トレインスポッティング2を観た。

T2 トレインスポッティング [Blu-ray]

T2 トレインスポッティング [Blu-ray]

  • 発売日: 2018/04/25
  • メディア: Blu-ray
 

 
舞台は前作から20年後、仲間を裏切って金を持ち逃げしたレントンが街に戻ってくるところから始まり、レントンを中心に前作の主人公が過去に引きずられながら、それでも毎日を生き抜いていく様を描いていく、前作のある種答え合わせのような作品。前作はまだ若さ故の鬱屈や暴走という趣があったものの、今作は登場人物は全員中年で、より青春映画としてのメッセージ性や重みが増している感じが面白かった。どれだけもがいたところで過去は清算できないし、人生に永遠に付きまとってくる。かつての栄光や青春は、時間が経てば“呪い”にも変化する。どれだけ自分から切り離そうとしたところで、絶対にそれは自分の内からは消えない。それが20年という時間と、世界の変化との対比から浮かび上がってきて、胸に重く響いて来た。世界は変わっていくのに、自分たちは全く変われなくて、生活は相変わらずどん底で「どこで間違ったのか」と主人公たちは思うものの、その今思ったら間違った選択も、自分たちがそのとき選んだときは正しくて、それが全部なんだということ。受け入れて、その上で次の選択をしていかなければならないということ。ラストシーンを迎えるとき、主人公たちに救いはあまり見られないけれど、それがきっとこの映画として、あるいは人生のリアリティとして正しいんだろうなと思えて、余韻があった。前作から引き続き映像や音楽の使い方のカッコよさはあって、話の重さにしては軽く見られて面白かったし、もしかしたら人によっては前作からの蛇足と捉えるかもしれないけど、僕は好きだったのでおススメしておきます。「未来を選べ」これは人生と選択の映画。