非スタートダッシュ

仕事終わりにハローワークに行った。並ぶパソコンと、職を求める人とで溢れていて、やって来たな…という感じがした。ハローワークの壁の色、ハローワークにしかない壁の色って気がする。就活のとき、新宿の若者向けハローワークで書類作成の講習を受けに朝から通ったのを思い出す。履歴書を書くだけで辛かったあの頃が、今これからやってくると思うと胃が痛くなった。パソコンで求人を検索して、数は結構あるけど、ほとんど営業とかエンジニアだなってのも昔と変わっていなかった。今の職業とか、自分ができそうなことから考えて、パソコンのデータ入力系の仕事で絞って1件だけ気になるのを見つけた。プリントアウトして、窓口に行ったらハローワークの登録が切れていたので再登録をした。係の人と喋るのすらあんまりうまくいかなくて、これで面接とかどうするんだって気が重くなったり、あとパソコンの席案内の紙を検索中に失くして、それも自己嫌悪を加速させたりした。普通のことが出来ないのが、やっぱり一番堪える。無事登録して紹介状も出して貰って、ハローワークをあとにしたとき、たったそれだけやっただけなのにどっと疲れが来て、家に帰ってそのまま倒れてしまった。体力がいよいよ失われている。履歴書も職務経歴書にもまだ立ち向かわないといけない。一番の難敵、自己PRもいまだピンと来ていない。34年生きてきて自分の良いところも見つけられていないって、思えば結構重症だ。唯一そうだと思っていた「好きなことに熱中できる」ってのも、よく考えたら「誰でもそう」だって気づい瞬間に詰んでしまった。そこを差っ引いたら、マジで何も残らない。自己PRも、あるいは志望動機とかも、要は書類や面接でうまく話せるかどうか、人としてちゃんとできるか、見せれるかの試験みたいなもので、頑張れば繕えるのかもしれないけれど、果たしてそれをうまく言葉にできるのか。自慢ではないけれど、不器用で嘘もつけなくて、思ってもないことは、思ってないくらいの感情でしか吐けないんだけれど、大丈夫なんだろうか。今の会社の面接は、言ってしまうとかなりゆるくて、雑談の延長みたいな感じで、そのままヌルっと入れたところがあるから、初めての気持ちで臨まないととは思っている。「自分」を本当に通さないといけない。その「自分」を持たないといけない。考えれば考えるほど自信が無くなって、今日は一日溜め息をついていた。昼は、体力をつけるために半年ぶりに焼肉を食べた。転職が成功したら、もう一度、勝った自分で焼肉を食べよう。お酒も飲もう。出来れば、それを喜んでくれる人と。