振り返れば試金石

昨日の今日で「今日はやる」と決めたのでカレーを作った。
教育実習とか誰かと行ったキャンプでとかはあるけど、思えばカレーを一人で作ったことは1回もなくて、カレーはいつも、何となくそこにあるものだった。あるいは、袋を温めて、皿に傾けるだけのものだった。大人になってからは特に、ただめんどくさくて、温めたり、傾けるばかりしていた。それを、今日は作ろうと思った。玉ねぎ、じゃがいも、人参、そして豚肉を買って、ピューラーと、あと蓋の代用に使うアルミホイルも買って「やる」という気持ちでカレー作りに取り掛かった。野菜を刻んで、フライパンで肉と炒めて水を入れて、煮立っていく具材を見ていると「今自分はカレーを作っている」という気持ちが急に沸いてきてすごくテンションが上がった。ルーを入れてカレーの匂いが立ち昇ったときは「これ絶対にカレーが出来るじゃん」とさらに上がった。分かんないけど、落ち込んでたときだったら嬉しさで泣いてたかもしれない。焦げ付かないように丁寧に混ぜながら煮ること数分、具材が柔らかくなったところで火を止めた。カレーが出来た。僕が、一人で、おっさんが一人で、初めて、作ったカレー。興奮冷めやらぬ気持ちでご飯を盛り付け、カレーをかけた。カレーだった。夢みたいだけど、夢じゃない。カレーだった。食べた。めちゃくちゃ美味しかった。多分に補正がかかってるだろうけど、レトルトじゃない、自分の足でキッチンに立って作ったカレーは、美味しかった。どうして、今まで作らなかったんだろうと思った。野菜切るのが面倒、煮るのが面倒、適当な理由を並べてカレーから逃げていた日々を思った。でも、今日で僕は変わった。カレーから逃げていた男から、カレーを乗り越えた男になった。今フライパンには、寝かして明日食べるカレーがある。まだカレーが食べられる嬉しさと共に、そこに在る。


大げさかもしれないけれど、本当に、日記を書いて色々やろう動こうとしなければマジでカレー作ってないし、PS4すら手に入れてないと思うので、この1ヵ月、日記を書くことでかなり日常が動いた。日々の闘いには依然、衰弱をし続けているけれど、日記を書く以前の、ただただ惰性の、家帰って寝るだけの生活からはだいぶ人間らしさを取り戻した気がしている。何かをやったってことが体に記号として残ることで、ちょっとずつ細胞が変わっていけばいい。ここからどう頑張っても、自分が社会的にまともな人間になれるとはとても思えないけれど、何もしないで、カレーも作らず家の電気をただ消している日々を送るよりは、少しでも歩いて幾分マシな人生を手に入れられればそれ以上は無い。今日のカレーは、つまりそういうカレー。


明日も朝から大喜利して土日をスタートさせます。明日はバッチリ起きたい。
あと、この日記の感想とか、別段無いかもしれないけれど、直接会ったときでもいいんで、何か言って貰えると嬉しいですね。どう届いているのか分からないので。何かあれば!