受ける日

この前応募した郵便局の年末年始のアルバイトの面接を受けてきた。面接、ということで相当身構えたというか、会社どうこうじゃなく、昔からアルバイトの面接に落ちることも多々あって、あとから考えると昔から人間として欠陥品だったんだなって思うし、もっと苦手ってそのときから認識してれば変わったものもあったのかとか考えてしまうけれど、今回に関してはとにかく生きるために受かるしかないし、郵便局のアルバイトに落ちたらさらに一段階落ち込んでしまう気がしたので、頑張らなければならなかった。面接は個別のものではなく、同じ部屋の中で待たされて、3個くらいあるスペースに一人ずつそれぞれ行って話をするというものだった。開始時間に合わせて行ったのにも関わらず結構人がいて「倍率…」とちょっと怯みながら待つこと十数分、自分の番が来た。事前に書いてきた質問票をバッグから出すのに戸惑って早速死にたくなりながらも、おそらく全員に聞いているような通り一遍の質問にたどたどしく答えた。自分で思うより自分の声が出てこないのが本当に嫌だった。何の感触も得られないまま、数分で面接は終わり、部屋をあとにした。全く何の感触も無かった。特に何か失敗をしたわけではないけれど、落ちたと言われたら全然納得してしまうかもしれない。社会に出ていなさ過ぎて、自分で思っている以上に自分がダメな状態である可能性があった。落ちてしまったらどうしよう、と終わってから急になってしまい、雨の降る道を下を向いて歩いた。一緒に受けた女子大生っぽい二人組が、歩く道の先で明るかった。不安を抱えたまま、そこから電車に乗り、ワクチンを受ける病院に向かった。果たしてこんな暗い精神状態でワクチンに耐えられるのか?不安と不安が入り混じる中、問診を経て接種の時が来た。注射の痛みは前回同様ほとんどなく、前気分が悪くなったことを告げていたので、病室のベッドで横になることを勧められた。しばらく寝転がっていても、気分も悪くならないし、他に異常も無かったので、熱と痛み用の薬を貰って病院を出た。「4時間後くらいに熱が上がってくる」と言われたので、頭の中でタイムリミットの数字が減っていくのを感じながら、急いで家に帰り、簡単な夕食を食べ、不安なのでもう薬を飲んだ。前回よりも腕の痛みが来るのが早く、これはすぐに熱も、と思ったものの熱は上がらず、逆に不安を感じた。このまま眠って、急に高熱で目が覚めたらどうなってしまうのか。一昨年あたりにインフルエンザにかかって、一人の部屋で高熱に苦しんだときはマジで死ぬかと思った。大人にとって熱が上がることは本当に怖いことだと、大人になってから実感した。しかし今出来ることと言えば、静かに横になっていること以外には無い。既に上がらなくなり始めた腕を感じながら、やはり「熱が上がってくることがほぼ決まっているワクチンを打つ」ことが普通になっている世の中は、本当に切迫しているんだなと思った。できるだけ良い目覚めになるよう祈りながら、一人の部屋で目を閉じた。