たった一つの冠

冠到杯という、優勝したことのない人を集めて行う大会に解説として参加をしてきた。
背景として、ここ2、3年で生大喜利の人口が増えて層が厚くなり、優勝というパイを争う闘いは日々過酷になってきているというのがあって、その解消とまではいかないけれど、実績はあるけれど無冠の人から、最近勢いがあって優勝に手を伸ばそうって人まで、総勢36名での結構な規模な大会が開かれることとなったというわけです。いわば、それは1個の初優勝を目指して戦うマジの殺し合い。単純にめちゃくちゃ観たかったので、解説の話を頂いたときはかなり嬉しかったし、今日もずっとワクワクしながら観ることが出来た。1試合3問という、あまり他でやらない数のお題をやっただけあって、参加者それぞれどこかで見せ場は作れていたと思うし、でもその上で勝ち残るのは通してウケた数名という狭き門。歴とかタイトルあるなし関わらず、相当厳しい大会だなって途中から強く思ったけれど、そんな中、優勝したわたおさんが敗者復活含めて13問(!)1問残さず当て続けてて、マジでバケモノだった。そりゃ優勝するわと思った。本人にも凄いと何度も言ったけど、言葉以上に凄いことって思ってるし、本人にも思って欲しい。結構な緊張感の中でこの問題数こなすだけでも体力いるし、お題の相性無く有効打を出し続けられる人がどれだけいるかって話。本当におめでとうございます。準優勝のあくまでクマさんも、わたおさんに比べると会の場数とかはないけれど、1回か2回の回答数のみで爆発起こして勝ち上がってて凄かった。あまり主催として私情を出すのはよくないので表立っては言わなかったけれど「きっかけの一歩」という自分が主催した初心者会の、1回目と2回目の参加者というカードでもあったので、そこにグッと来たりもした。自分が対戦してないから強くは感じなかったけれど、果たして自分があの中でどれだけ闘えたかって考えたらあまり自信が無いし、わたおさんとタイマンして今勝てる自信も無いしで、刺激を受けたというか、刺激を受けて頑張らないとなって思った。過去の冠は過去の冠、ホコリを被ったそれを椅子に座って眺めてても仕方ないので、次の冠に手を伸ばしていきたい。今日惜しくも負けてしまった人も、そんな「優勝しろ~」とは言えないし、スタンスはそれぞれだけれど、めちゃくちゃ頑張って手に入れた王冠は、他では替え難い価値があると思うので、どこかで手にして欲しいですね。果たして、2021年の冠到杯には誰が残っているのか。誰がそれを手にするのか。