芝の想い出

前々から行きたいなと話していたんだけれど、ついに競馬場に行くことになった。東京競馬場。電子レンジさんに誘われる形で、他にかさのばさん、ヅカマゲドンさん、きりまりさん、OGAKUZUZさんと最後は6人で、電子レンジさん以外は初めての東京競馬場だった。昼に府中競馬正門前駅という、東京競馬場の目の前にある駅で待ち合わせた。府中までは案外遠くて、乗り継ぎがめんどくさかったけれど、東府中から府中競馬正門前まで走る電車が、本当に競馬場に向かうためだけのシャトルバスみたいな感じになってて面白かった。初めて見る東京競馬場は、今まで動画の中だけしか見たことない景色が目の前に広がる感じにテンションが上がったし、想像の何倍も広くて凄かった。あと、勝手にイメージで思っていたより綺麗で整っていた。ちょっとしたテーマパークとかアミューズメントパークの趣すらあった。みんなお腹が空いているということで、フードコート内のラーメン屋で電子レンジさんおススメの角煮ラーメンと、鳥千という有名な店のフライドチキンを食べた。お祭りにでも来た高揚感の中で食べる競馬場グルメはあまりに美味しかった。そしてパドックで生の競走馬を見て、またテンションが上がった。馬が近かった。こんな馬が近くなんだと思った。全然知らないレースだったし、調べてもいなかったので、予想もへったくれもなかったけれど(パドック見ても実際よく分からなかった)とりあえず現場に来たからと馬券を買い、レースを観た。また馬が近かった。ゴール近くで観たからか、本当に迫力があって、全然デカいレースじゃなくても周囲の熱気が凄かった。馬券は全く当たらなかったけど、馬券を買ってレースを観る、ただそれだけで楽しくてヤバかった。東京競馬場でのレースではなかったけれど、今日一番の注目レースである、マイルチャンピオンシップ阪神競馬場で行われる日だったので、その馬券も買い、競馬場の巨大スクリーンで結果を見守った。今日が引退レースとなるグランアレグリアの馬券を応援を込めて勝って観ていたら、第4コーナーでグランアレグリアが上がって来て、そのまま差し切って勝った瞬間、マジで意味分からないくらい興奮して泣きそうになった。グランアレグリアの最後に、その強い姿に、その場にいたみんなでワーっとなって、本当に今日ここに来て良かったと思った。一番人気だったから、馬券はちょっと増えて戻ってきただけだったけれど、初めて当たった馬券がこのレースで良いと思えた。家のテレビで見る、その百倍くらいの感動がここにはあった。何回かレースを見て、最後電子レンジさんが1万越えの爆勝ちをして今日の競馬は終わった。帰り際にウオッカの像の前でミーハーの顔で写真を撮り、最後はミーハーの気持ちで競馬場をあとにした。打ち上げで沖縄料理の店に入り、オリオンビールで乾杯した。店に来てからも、ずっと楽しくて仕方が無かった。何故か競馬の話から逸れ、途中から全然下らない話で盛り上がって変だったけど、楽しいから問題無かった。今日このメンバーで競馬場に来れて良かったと思った。競馬場は、楽しい。初めて来て心から実感した。別にギャンブルに目覚めたとか、そういう感じでは無く、友達と馬券買ってご飯食べてレース見てと、500円ほどの席料で一日これだけ楽しめるのなら、娯楽施設としてコスパが良いし、これが大きいレースの日ならより盛り上がれると思ったら、ちょっと信じられないくらいだ。抽選が厳しいらしいけれど、年末の有馬記念は応募して、もし現場で見れるのなら今年最高の締めになるに違いない。今年が始まったときには、自分が無職で死にそうになるとも思っていなかったし、競馬にハマって競馬場で泣きそうになっているとも思わなかった。人生は裏切りの連続で、絶対は存在しない。競馬が人生の縮図なのではなく、人生こそが競馬の縮図という言葉がある。確かに瞼の裏に刻まれた府中の光景を思い出しながら、またあの場所へ向かおうと心に誓った。