何も聞こえなくなる瞬間のこと

ヤバいくらい何も無い一日になってしまうという不安から、遠出は難しくても軽く外に出てみようということで、近くのブックオフまで歩いて行ってみたものの、特に収穫も何も無かった。せっかくなら昼ご飯を済まそうということでやよい軒に入り、存在だけ知って気になっていた夏限定のとり天と冷や汁定食を頼んでみた。かなり良い評判を聞いていたので、どんなもなんだと思って食べてみたら、冷や汁がちゃんと冷たくてめちゃくちゃ驚いてしまった。氷がたくさん入っていて、ご飯ものの汁に氷が入ってることあるんだと、しばらく見つめてしまったりもした。味はポン酢ベースで美味しくて、最初は冷たさに戸惑ったけれど、付いて来た説明の紙通り、締めにサバとご飯を入れて食べる頃には馴染んでいた。ただ、確かに美味しかったけど、1回食べたらしばらくいいかな、くらいの感じではあったので、この夏にまた食べるかは分からない。連休の大事な二日目が冷や汁で暮れたのは、果たして正しい休みの使い方だったのか。夏休みの日記を書いていたとして、冷や汁のことをメインで今日を埋められるのか。冷たさから来たのか、食後頭痛に襲われてしまった為、帰りは電車を使った。家に帰ってからは何もない時間がまた訪れ、本当にあっという間にやってきたオリンピック閉会式を眺めながら、インスタントのスープカレーを食べた。昼は頑張って冷や汁に挑戦したけれど、最近本当に食のモチベーションが無くて「腹は減るのに、食べたいと思わない」という、多分あんまりよくない状態が続いているので、どうしたものかと思っている。夏バテなのか、鬱なのか。またここ数日、不眠が続いているし、色んなことが少しずつ悪い方向に向かっている気がしないでもない。暗い気持ちを吹き飛ばすために、寝る前にまた映画を観た。

 
常にイヤホンで音楽を聴きながら運転する天才ドライバー、通常“ベイビー”。両親を失い、借金返済のために強盗の逃がし屋という危険な仕事に身を置く彼が、愛する人に出会う、やがて人生を左右する大仕事に臨んでいく様を描いたアクション映画。ベイビーが自身の不遇な生い立ちから犯罪に巻き込まれ、そのハードな環境の中でヒロインと恋をしていくというアクションとして王道なストーリー、最後まで緊張感が続くスリリングな展開がアツくて引き込まれて面白かったし、映画を彩る音楽がとにかくカッコ良くて、それが特に映画の価値を上げていて凄かった。オープニングのシーンや、街中をベイビーが疾走するドライブシーンなど、ときに音と映像をリンクさせたりして、見ていて一つの壮大なPVを見ているような感覚になるほど、映像作品としても完成されている感じがあった。そして音楽と共に、また物語も加速して行って、ベイビーとヒロイン、そして2人の人生がどこに辿り着くのか、最後まで息を呑んで観ることが出来て、映画の時間としては2時間弱なんだけれど、駆け抜けるように感じたその時間がもっと短いようにも思えた。アクションをあんまり普段見ない身ではあるけれど、サクッと見れて、ただカッコよさを感じられる映画だと思うので、とりあえず手に取って観て損は無いと思います。