魔法とか魔法のような時間とか

朝早く起きておジャ魔女どれみの新作映画「魔女見習いを探して」を観に行った。
制作20周年記念の映画で「おジャ魔女どれみ」をかつて好きだった3人の大人が主人公の話で、アニメ未視聴でも楽しめそうというか、話的にかなり良さそうだったから観たんですが、これがめっちゃめちゃ良くて、朝からポロポロ泣いてしまった。教師志望だけれど「本当になりたいんだろうか」と挫折してしまっている、帰国子女で良い仕事に就いたものの職場に馴染めず葛藤している、夢に向けてアルバイトを続けるけれどダメな彼氏に金をせびられて自分に悩んでいる、という主人公のそれぞれの悩みを背景にして、おジャ魔女どれみきっかけで3人が出会って自分を変えていくという物語なんですが、重いとまではいかないまでも割りに現実的な話が展開されて、明確にハッピーエンドには辿り着かず「これから、これから」ってところに着地するところがすごく良かった。「魔法」というのが、おジャ魔女どれみが軸にあるから、キーワードとしてずっとあるんだけれど「子供の頃信じていた魔法」が今目の前に都合よく広がってくれるわけもなく、じゃあ昔信じてた魔法って何だったんだろうって答えとして「自分の中」に「それぞれの中」にあるもの、持っていたものが提示されるのが、まためちゃくちゃ刺さって、映画観終わってしばらく経った今も心にぶっ刺さったままになっている。自分から見た理想、自分から見た他人は、やっぱり遠く思えたり、自分の手元を見て諦めたりしてしまうこともあるし、それこそ魔法でも使わないと埋められない距離があるようにも(主人公が魔女の魔法に憧れていた距離くらいに)思えたりもするけれど、呪文を唱えなくても、魔女に師事しなくても、最初から自分だけの魔法を持っていて、それは自分だけに見えない構造になっているだけなのかもしれないと、悩みを乗り越えた主人公たちを見て思った。テーマとしては目新しいものではないかもしれないけれど、おジャ魔女どれみと、それに憧れていた主人公の気持ちとを通して、その「魔法」がより心に響いてきて、だから刺さって、だから泣いてしまった。この先はどうしたって月並みで個人的で後ろ向きな言葉になってしまうけれど、僕は自分には何も無いと思っているし、ましてや魔法なんて、って思ってしまうけれど、人が言うようにもし何かあるって思えたら、本当に楽になれるんだろうなって、これは映画観終わってマックを食べながら思った。「教科書見ても書いてないけど」そう信じられたら、良い。改めて「魔女見習いを探して」本当に良かったです。コミカルな演出やキャラクターの柔からさで、重くならずにずっと観れたし、アニメに出てきたアイテムもたくさん出てくるから、昔好きだった人はより楽しめて、より刺さる内容になっていると思うので、好きだった人はかなり観たほうが良いし、アニメ未視聴でも話の良さで観れると思うので、そうじゃない人もかなり観て欲しいですね。ベタすぎるけど、原作気になったのでdアニメストア入って、おジャ魔女どれみ観ようか結構真剣に検討中です。51話あるらしいけれど。

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映画の感想を間の時間で埋めたあと、レンタルスペースのデカいテレビでM-1を知り合い数人で見守った。敗者復活の最初のほう、何故か部屋に緊張感が漂っていて、今日初めて集まったのかってくらい口数が無かったんだけれど、コウテイのネタで一気に盛り上がって活気が出た。コウテイはすごい。敗復はマジでずっと面白くて通過読めなかったけど、部屋の最大風圧はキュウだったし、個人的にも一番面白くて一番凄かった。ギミックを思い切り詰め込みつつ、そこから捻って、展開もして、最後にそれをフリにしてアピールまでやってたの、本当に良かったしカッコ良かった。全然順位が伸びてなくてちょっと気落ちしたけど、そのくらいの出来だったと思う。次点は部屋を盛り上げてくれたコウテイ。あそこまでボケとツッコミ完全に入れ替えるパターン初めて見たし、賞レース獲っただけあって、前に比べるとめっちゃ分かりやすくなってて、一番最初に見たときコウテイ正直ついていけないときもあったんだけれど、単純にずっと笑えて凄かった。そこから結構横並びだけれど、ランジャタイ、カベポスター、ニッポンの社長あたりも好きだった。何故か平場でランジャタイが話めっちゃ振られてて「僕らビックスモールンとしては」「国民最低」と爆笑取りまくっててカッコ良かった。ランジャタイ、ネタで売れるイメージ浮かばないし、実際今日も最下位だったけど、あの才能だけでも見つかってくれないものか。あと、なんか全体的にみんな人のギャグやってて、あれも何だったんだ。キュウの長井秀和も笑った。結果は、上位3組がぺこば、ゆにばーす、インディアンスと、会場ウケと完全に比例していないところもあって、難しい~、とも思ったけれど、まあそういうもんよなって諦めたりもした。やっぱり準決で勝ち切るのが最短で、一年間ネタをただただ積み重ねて、その狭い穴を抜けるしかないんだろうな。決勝まで時間が空いたので、コンビニでご飯買って食べて、ちょっとドキドキしながら本選を視聴。ネタの詳しい感想はまた個別に1組ずつ書くので省略して、全組マジでめちゃくちゃ面白かったし、平場でのコメントで怪我したり損したりするコンビもいなくて、なんというか変な時間が無く最後まで終われて、強い安心感がずっとあった。決勝3組がそれぞれのスタイルで爆ウケして票が完全に割れる展開もアツかったし、その先でマヂカルラブリーが3年越しに諸々リベンジして最下位からの優勝って結末にも、かなりグッと来て一瞬泣きかけた。かなり久々にビールも飲んでしまった。やっぱり、M-1は面白いし、大会としてカッコいい。作る側、出る側、関わる人たちがカッコいいから、観ててこんなにもアツくなるんだと思う。伊坂幸太郎のチルドレン内の好きなセリフで「大人がカッコよければ子供はグレねえんだよ」ってのがあるんだけれど、観ている背中がカッコよければ、追う側もカッコよくなるんだって単純かもしれないけれど思った。去年は都合が合わなくて一人で視聴したんだけど、今年はありがたいことに誘って貰えて、M-1一緒に楽しく観てくれる友達が居てくれることに、帰り道急に感動してしまった。生きてればたくさん嫌なこともあるし、石を投げられたりすることもあるけれど、100人に石を投げられても、1人の友達を信じれるかどうか。それが僕の人生のこれからを左右するような気がした。アイスを買って、M-1の余韻に浸りながら食べた。明日の朝は早いけれど、この余韻で頑張れる気がした。