吊革に両手

今年の初めくらいにカードの期限が切れてほっといていたau WALLET、これを復活させようかなと思ったら、どうやら今はau PAYってものに変わっているらしく、ああなんか最近よく聞くよねPAYこれもPAYなのねってノリで残高を調べたら結構な額が溜まっていて、急いで会計に使える店を探しました。掃除してたらへそくりができてラッキー!みたいなね。書店にて、最近気になっていた伊坂幸太郎の「逆ソクラテス」を購入。アニメ観る予定をちょっと変更してこれを読みます。帰りにはau PAYで松屋の牛丼も食べました。皆さんの手元にもau PAY、探せば転がっているかも。

馬鹿と鋏と

馬鹿と鋏と

  • アーティスト:NORIKIYO
  • 発売日: 2018/09/28
  • メディア: CD
 

放クラと一緒に買ってたNORIKIYOの「馬鹿と鋏と」聴きました。
NORIKIYOは神奈川のラッパーで、ストリートやアングラに端を発する“リアル”なHIP-HOPを体現し続ける人物。他のラッパーとのビーフ(ラッパー同士の喧嘩のことを指す。相手をディスる曲を出したり、曲を返したりする)も過去に数回行っていて、その中ではZEEBRAをディスったことも。また、社会に対するメッセージも発し続けていて、Youtubeに時事や政治を批判するような曲を上げ続けるなど、日本では薄れかけているHIP-HOPという文化を今なお走り続ける硬派なラッパー。
NORIKIYOの凄さとしては、その上で本当に曲のクオリティが飛び抜けて高くて、いやこれずっと踏んでないか?ってくらい曲を通して踏み続ける押韻と、それを続けながらも言葉に意味を持たせ、かつ繊細な感情を浮かび上がらせるリリック力と、一度曲を聴いてからずっと「信頼」の2文字が消えたことが無い、それくらい曲を作る力が凄くて「アルバムを買いたい」と初めて強く思わされました。作品を出すペースもとんでもなくて、上で書いたYoutubeの曲も高い頻度で出してるのにクオリティはバカ高いし、アルバムも年1で出していて、冷静に考えてバケモノかよと思っている。


【Lyric Video】NORIKIYO / I know what I want


「馬鹿と鋏と」は2018年に出したアルバム。客演にAK-69や般若を入れるなど、新しい試みも打ち出しつつ、痛烈なディスに溢れたナンバーから感情に訴えかける哀愁の効いたナンバーまで、NORIKIYOの楽曲の幅の広さとリリックの良さが詰まった一枚でめちゃくちゃ良かったです。13曲、インスト無しの直球勝負。捨て曲無し。本当に、無し。
特に良かったのは、今の似たような曲の溢れるシーンに中指を立てる「Same Shit」
「Skrrrr Skrrrr とかノリだけ 中身がスカスカ」はキョンスがバトルで2回くらいサンプリングしてましたね。少し他より韻は弱めで、ディスに振ってるのがカッコいい。


【間違いを探せ】NORIKIYO / Same Shit


オートチューンを使いつつ、ストレートに情景を歌う「花火」も良かった。フックで切なげに繰り返される「そうFireworks」が、まるで花火が散っていくようで綺麗だし「元気玉みてぇな5尺玉 空に咲いたらどうなるかな?」ってラインも沁みる。


【MV】NORIKIYO / 花火 (Fireworks)


中でも一番良かったのは、山手線からの風景を淡々と綴った「山手線」
捨てられない過去、しみったれた現在、少しの希望。色んな感情が電車に揺られて零れていく様が静かなビートの中で歌われていて、心地良く、でも言葉1つ1つは突き刺さってきて、こればかり聴いてしまっている。「時間に急かされ閉まるドア 車窓の髭面見りゃ大人」「昔は嫌いだったのにあんなに 今思う東京ってのも何か良い」のような、昔と今を比べたときの哀愁。「強い人に憧れて この先どこに運ばれてく?」そして今の中に浮かぶ葛藤。
その上で、救うように歌われるフックの「答えなどねぇんだ多分何も 行き場を無くしたこんな愛と 優しさにも似た痛みも全部乗せて回る」が強く沁みます。


【MV】NORIKIYO / 山手線


山手線に終着は無いように、人生に明確なゴールは無い。あるのは過去、あるいは未来への執着のみで、それを頼りに何処かの駅で降りて、また歩いていくしかない。網棚に乗せた過去もちゃんと背負って、路線図には無い未来に向かって。


引っ越す前は山手線で通勤してたな、などと思い出しつつ。お酒を飲みつつ。朝へ。